<はじめに: この回答はご相談のあった2000年3月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
あなたほどの学識経験者が何の書面にもよらず
相手の言いなりになって工事を進めてしまったところに
そもそもの欠陥発生要因があります。
一般的には第三者による設計監理者が介在すれば
事前の確認が図面上で行え、初期の段階で
バリアフリーの検討なども十分できたでしょうし
その図面に基づいて工事も進行したわけですから
問題も起こらなかったと思います。
また、施工者はどなたが選定されたのでしょうか?
施工者選定に関しても単なる評判や知人の紹介だけでは
その能力の是非はわからないことが多く
固有の条件下での施工は得意でもそれ以外のことは
まるで駄目というケースは多々あります。
また、その施工者を選定しても
その先の実際に工事を担当する職人がどうなのか?
どのように作らせどのように完成させるのか?
その手法とストーリーをきちんと指示しなければ
仕事事態が形骸化してしまいます。
そうした検証はどなたがなさるのでしょうか?
現場の監督ですか?
工事会社の社長ですか?
それは否です。
彼らにはその能力はありません。
つまり、あなたは単に500万円という対価で
望みの商品を手に入れようとしたわけですが
その商品の中身を一切検討検証せずに
完成商品としてのこのプロジェクトを手に入れようとしました。
建築において口約束でそれは可能なことでしょうか?
口約束では
どこまでいってもあなたの注文は達成できません。
それから
相手に落ち度はないのか?という点ですが
当然契約上のプロジェクトは達成していない
(不具合があって手直しをしなければならない事実がある)
のですから対価を支払う必要はありません。
口答であるにせよこのプロジェクトは甲と乙との約束です。
約束は約束ですから成就されない部分に対しては
不服を申し立てることができます。
ただし、契約書面がないのですべて甲と乙との協議によらねばなりません。
それが達成できないからといって「内容証明」では協議ではないのです。
そもそも契約書類がない状況ですから
工事書類の作成もないわけで、どんな検証もしようがないのです。
検証のしようがないので
検証を誰かに任せねばなりませんが
これは弁護士さんに登場願うしかありません。
総括的にいいますが、
有名な山の頂上に立った自分をイメージすることはできていますが、
事前準備を行わずに無謀な登山をして遭難した場合
救助はされても生還後の救援者への始末は大変なものがあるのです。
酷なようですが
それほど事前準備が必要だったにもかかわらず
それを怠ったあなたご自身の責任はどこかでとらねばなりません。
かくして弁護士に支払う金銭的解決ということになりそうです。
事前に建築の専門家に相談するべきであったか
事後に弁護士に相談するしかないということか
同じ費用が発生するとすれば
最良の方法として前者を普通は選択するでしょう。
それができない以上誠に残念ながら後者の選択しかありません。