質問
目下、20年ほど前に購入した建売の自宅を建て替えしようと考えています。
最初はA社の●●ハウスが良いとの評判を聞いていたのでそのつもりでいたのですが、
●●(外壁材)は吸水性あり防水の必要があり維持が大変との話を他社から聞き、又断熱気密性能が低いとのコメントを本で読み考えを変えました。その本に硬質ウレタンパネルを使用したFPの家を推奨してあったので、近くの工務店でFPの家の建築現場や完成建物を見学し大変気に入りました。
しかし、その後いろいろな本を読んで勉強すると、ウレタンの吸水性が性能を早く劣化させること、内断熱は柱から熱が逃げるので外断熱の方が良い、公害の問題、断熱材にはグラス又はロックウールやポリスチレンを使用してウレタンを使うのはFP以外に見当たらない等々の点があり判断に迷っています。
問題のウレタンは現場発泡のもので、工場で生産されたFPパネルはウレタンを構造用合板と石膏ボードでサンドイッチされて火に強くかつ30年無結露保証をしています、10年経過したFPパネルを解体したが結露はなく性能も変わらないかったとメーカーは言っています。
一方、外断熱については最近盛んに本が出版されてその性能がもてはやされています。全体を覆うので耐久性が良い、勿論断熱と気密性能も優秀で結露やカビの問題もない、屋根裏も使用できる、先進国は外断熱が常識等々と理解しました。
しかし内断熱推奨の側からは外断熱はシックハウス問題、高価格で建築方法が難しい、地震で外壁が落ちた(外壁との結合で長い釘を使用し固定が困難なため)、床下から寒暖が上がるなどの問題が指摘されています。
各々頷ける話で判断に迷います。もうしばらく判断が固まるまで待ったほうが良いのでしょうか。私としては老後のことも考えると50年程度は住める家としたいのですが如何でしょうか。先生のご意見を聞かせていただければ幸いです。よろしくお願いします。
回答
<はじめに: この回答はご相談のあった1999年10月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
<はじめに: この回答はご相談のあった1999年10月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
私たちプロでさえ迷い込んでしまう正論の無さに
あなたも入ってしまいましたね。
探れば探るほど迷い込むのがこの問題です。
基本的には北海道等の寒冷地の仕様を関東の横浜にてあてはめて考えるところにオーバーデザインが生じてしまいませんでしょうか。
●●ハウスはともかく
FP工法の家でさえここ10年以内の実績かと思います。
新工法が開発されては実験台にされているのがお客様です。
本当は不要な迷惑のはずなのに営業力に押されて
ついつい契約されてしまいます。
結果がこの正論の無さなのです。
正論かどうかは実際に住んでいる人に聞くことが一番でしょう。
つまり、50年住むなら50年以上耐久している
実際の建物をキチンと見てください。
在来工法でも良いですし、2x4工法でもかまいません。
コンクリートでもかまいません。
小手先の工法ではない部分で選択されることをお薦めします。
ちなみに私は確かな骨組みの伝統的な在来工法を採用しています。
内断熱も選択肢のひとつです。
また、外断熱のひとつです。
さらにはその両者を同時にする断熱方法もひとつです。
今、あなたの悩みは「断熱工法」ひとつを採ってしてもなお選択肢は大きく分けて3つです。ひとつの選択肢の中にさえ、さらに使用される断熱材や下地材、工法、金額があるのです。これらをひとつずつ検証することは膨大な選択肢から結論を導くことになりましょう。
必然的にはどこかに妥協が生まれます。
従いまして、これらの選択肢を携えて私は建築設計に向います。
私の最終的な結論は50維持されている建物の中にあります。