質問
瑕疵担保責任に関する質問です。昨年3月に土地と建築予定建物の図面より建売り物件の売買契約を締結し、8月に入居したところ9月に出窓部分より雨漏りが発生しました。
分譲主の費用負担にて修理致しましたが同じ出窓部分で再度雨漏りが発生し、その後 「修理→雨漏り」の繰り返しで(分譲主の話によると違う理由で雨漏りが発生しているとのこと。)、今日現在完全修理には至っておりません。修理期間の日常生活における精神的苦痛は相当なものであり、修理中の立会いによる時間の犠牲も強いられ、これ以上同じことを繰り返すことはもはや我慢ができません。
更には、この雨漏りが限定的とはいえ他の部分になんらかの影響を与えている可能性は否定できず(分譲主は問題ないといっていますが)、下記条件にてこのケチがついた家と分譲主が販売中のわれわれが了承する物件との交換(2つの売買契約を締結する。)を下記条件付で申し出ました。
購入物件の値段が高い場合には値差は下記の通り計算する。
新規購入物件価格
-現在所有物件購入価格
-新規購入時の追加付帯設備価格(電動シャッター、システムキッチン等)
-新規売買に要する諸経費(税金・登記費用等)
-引越し費用に係る費用(引越し代、クーラー移設費用等、電話新設等)
-カーテン代
-慰謝料
この申し出に対し、分譲主より再度外部専門業者を起用し修理し、且つ金銭的に解決したいとの申し出がありました。
購入した本には瑕疵担保責任に雨漏りは含まれるとの記載がありますので、現在の申し出は差額の計算部分の条件の満額受諾は無理とはいえ、この部分の合意がなされる以上、われわれの申し出は正当なもので受け入れられるべきものと考えますがいかがなものでしょうか。
上記条件のうち当然認められるべきものはどれか、全く無理なものはどれかを併せてご回答戴けたら幸甚に存じます。
お忙しいところ誠に恐縮ですがよろしくお願い申し上げます。
回答
<はじめに: この回答はご相談のあった1999年6月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
以下回答いたします。
>購入した本には瑕疵担保責任に雨漏りは含まれるとの
>記載がありますので、
>現在の申し出は差額の計算部分の条件の
>満額受諾は無理とはいえ、この部分の合意がなされる以上、
>われわれの申し出は正当なもので受け入れられるべきもの
>と考えますがいかがなものでしょうか。
>上記条件のうち当然認められるべきものはどれか、
>全く無理なものはどれかを併せてご回答戴けたら幸甚に存じます。
始めに申し上げますが、あまり良い結果は期待できません。
まず、瑕疵担保の責任に関しましては
建物の売買契約の内容によります。
契約者双方に同等にこの内容は抵触しておりますが、
この契約書に添った範囲内でしか責任が発生しないと同時に
この範囲外の責任は取らなくて良いことになっております。
この契約の条文に記載がない部分につきましては
あくまでも「別途協議」になろうかと思います。
おそらく契約書の最後の方に記載されている「疑義」の条項がそれです。
したがって、今回の「雨漏り」はこの契約書に従わざるをえません。
当然、この協議は「相互の合意」があって成立することになります。
しかしながら、文面からは「合意」はどこにもないようですがどうですか。
明らかに「瑕疵」の内容ですので「修理」ということになります。
とすると、問題になるのはこの「雨漏りに起因する精神的苦痛」
でしょうか?これは瑕疵とは違います。
この精神的な苦痛の問題は「民法」です。
「建築の欠陥による精神的、肉体的損害」ということですね。
したがって、法律家にこの部分についてのみご相談が可能です。
ご希望の家屋の交換は物品の交換とも似ているところがありますが
所有者が既に名乗りをあげた以上は
戸籍が抹消できないのと同じように
半永久的に「登記簿謄本」に所有者名が記載され続けます。
お客様とすれば「こんな欠陥品を買った覚えはない」と
言いたいところでしょうが、
建売不動産業者からすれば「現況有姿でご購入頂いたし、
売買契約書の内容に従ってもらわないと・・・」というでしょう。
この状態は平行線です。
かなり冷淡な言い方にはなりますが
「建売住宅」というのはその性格上「現況有姿と契約内容」が
優先するように思います。
雨漏りの点検義務は購入時に
購入者が行なわなければならないのだと思います。
どうして簡単に相手を信じ、何千万円からの買い物と
大切なその資産の点検を他人の手に委ねましたか?
どんな場合も欠陥を見過ごした場合は購入者に責任が発生します。
だからといってお客様を保護するものはないのか?
いいえ、きちんと「法律」が護ってくれます。それが「契約」です。
ですから「売買契約」が大切になるのです。
こうした見過ごし個所について「そんなことは契約時点では不可能」
という部分について、その場では判断できないので
「もしもそうしたことがあったら・・・」という内容で「工事保証書」や
「過失責任保険」を含めた内容での「売買契約書」があるのです。
「まさか、そんなこと・・・」はこの世の中にはいっぱいありますよ。
そのために「契約書」があるのです。
ですから、こうした不安があるならば契約書の内容に
「特約事項」を加筆しなければなりません。
<はじめに: この回答はご相談のあった1999年6月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
あなた方の契約書にはどのような「特約」が記載されていますか?
これがない場合は打つ手がありません。
二重、三重の防備をあなたが怠ってしまえば・・・。
誰があなたを救えましょう。
したがって、隣接別物件への買替え、移転をお望みではありますが
基本的にはこれは困難かと思われます。
ひとつだけあなたに希望を差し上げられるとすれば
契約内容に関する「疑義」に関して相互の理解が困難な場合
および精神的肉体的損害の賠償は第三者(弁護士)をお立てになる
以外に方法はありません。
住宅の売買こそ1年程度の「クーリング オフ」制度が必要
だと考えます。
法の整備に向けて意見しなければならないと思います。