質問
実家を建て直して、二世帯住宅をと考えて、いろいろなメーカーのモデルハウスを見てきました。
結局のところ、強度に関しては施工の方法や使用している素材よりも、きちっとした施工がされるかどうかが決め手と分かりました。
しかし、耐久性については意外にどこのメーカーも差がなく、その割には「在来では20年が限度。うちは60年もちます。」と言います。
実際、木軸工法で、ありとあらゆる手段を講じたとして、どのくらいもつのでしょうか?
本当に、60年ももつのでしょうか?
回答
目下、横須賀市内で二世帯住宅の建て替え計画が進んでいます。
数ヶ月先ぐらいには着工する見通しです。
一般の木造住宅ならば40年程度は問題ありません。
ただし、建売住宅やハウスメーカーの工場生産住宅は判りません。
ハウスメーカーのMホームでさえ実際にまだ40年程度しか歴史がありません。
ハウスメーカーのモデル展示場で「口をそろえて在来工法は20年」というのは心外です。
何を差して「20年」というのかお尋ねしたいところです。(もしや建売住宅?を例に挙げているのではないでしょうか?)
在来工法の住宅を知らない営業マンが言っているのだと思いますが、こういう話を平気で吹聴するハウスメーカーもこんなものでしょう。
私の設計による住宅を例にとって書きます。
私のところでは12cmを基準とした構造材料(土台・柱・梁)を採用しています。
太いものでは通し柱が13.5cm、家の中心に入る丸太は末口(丸太の細い径)で15cmという住宅もあります。
また、基礎はコンクリートのガッチリとした地下室ですから耐久性はどこの住宅にも劣ることはありません。
恐らく地下室は200年、地上の建物でも100年は耐久すると思います。
問題になるのは100年後までこの建物の空間が皆さんの生活スタイルにどのようにフレキシブルに対応できるのか?という点です。
このあたりをきちんと整理をして柔軟に対応できるようにしておくことが実は長きに渡って住みこなす知恵や工夫だったりします。
私の目指す建物はそのあたりを提案しているので、自由な空間に見え、より一層優れた評価をいただいている所以です。
鉄骨やコンクリートで建てる以上に木造の在来工法に固執して住宅を建てているのは、神社仏閣構造にみるしっかりした骨組みの中に古来の先人たちの教えと築後100年以上の空間の思慮を受け継いでいることでお客様たちの生活を見守っているのです。
当社の建物の実例を見ていただくことでより一層の理解が得られましょう。
ハウスメーカはもちろんのこと工務店建設会社にはこのあたりのもくろみは日本全国どこを探しても出てこないと思います。
工場生産品に100年の歴史はまだありません。
やはり建築設計がしっかりと考えられていて、頑固な大工が作ったものが可変であり将来まで長続きできると確信しています。
建築業界は輸入工法としての2X4工法に主体が移ってしまった今、差別化が進むこの業界の中で、「口をそろえて在来工法は20年」といわなければ他社を抜けない営業姿勢に悲しさを感じます。
住宅は営業で建てるのではなく、あなたの希望と質で建てるものです。
既製品の住宅メーカーに「在来工法は20年」などと言われたくはありませんが、言わせておくことにします。
それにしても既製品の住宅メーカーがそれだけの歴史がない中で「60年耐久」はチョットおかしな話です。
以上となりますが、ご不明点や解決がみられないなど何かお困りごとがございましたら引き続きご相談ください。
<ご案内:この回答はご相談をお受けした直後にすでにご相談者様あてに回答したものです。
当無料相談室では同様のご相談が比較的多いので、当サイトのリニューアルに伴いまして、再編集の上、新着のご相談と共に再公開いたしております。
また、金額掲示がある場合は金額は回答当時のものです。現在の金額からは変動しておりますのでご留意ください。
ご相談内容と似た事例はページ右側のサイドメニューに掲載の「住まい&建物相談キーワード」から検索可能ですのでお試しください。>
・何かお困りごとがありましたら「住まいの無料相談室」ご相談窓口からご相談ください。
・擁壁・地下室+建物づくり相談も受け付けておりますのでご利用ください。
・遠隔地の現地確認をともなうご相談は交通費などを頂戴いたしております。