質問
初めまして。現在、新居の建設に関して悩んでいることがあり、検索しているうちにこのページにたどり着き、救われる思いです。34才の主婦です。どうかこの質問が、先生のお考えになる「考えに偏りがある・・・」というのに当たらず、ご回答をいただけますように・・・。
現在、○○建設で新居を計画中です。はじめは小屋裏付きの2階建てを予定していましたが、狭い土地なので途中から、1階に土間やガレージなどの空間をとり、2階にリビングなど生活の中心を置いた3階建てに変更することになりました。すると、1階部分はRC構造となり、その上にプレキャストのコンクリート2階建てが乗っかる構造になるのだそうです。
そもそも私たちがコンクリート住宅に決めたのは、私が床の振動ということに関して異常に敏感で、子どもが飛び跳ねたり、あるいは大人でも、ドスドス歩いたり、どっかりソファに座ったりする時の振動が、いわば生理的な恐怖というようなものであるからなのです。よくマンションなどの騒音問題で、階上の足音などが言われますが、私の場合は上から響いてくる音、というより、同じフロアに居ながらにしてそういう振動が伝わって来るのが怖いのです。
振動というか、床全体がしなる感じ、とでも言うのでしょうか。私はごく小さい地震もいち早く感じますし、丈夫だと思われる鉄筋コンクリート造りの建物でも、フロアを広くとってある量販店などでは、人が歩くのなどによって床が振動しているのを感じます。こういう感覚をわかって下さる方もいれば、「そんなのぜーんぜんわからないし、気にしない」という方も、もちろんいます。
分かってくれない人が多い中で、その住宅メーカーの営業の方は割合そういう感じを理解してくださる方だったので、そのメーカーに決めた、というのも実はあります。もちろん、いろいろなモデルハウスをまわって、唯一私が我慢できる造りだっ<以下文字化け> ! $?$N$,!"$=$N%W%l%-%c%9%H$N%3%s%/%j!<%H=;Bp$@$C$?$o$1$G$9$,!#<以上文字化け>
しかしそういった諸々の意味では、今回購入した間口の狭い土地は、生活の中心が1階にとれないという意味で、私にとって結構精神的にのしかかるもの、ではあります。なにしろ私は、できれば平屋の家に住みたいくらい、(文字通り)しっかり地に足をつけた生活がしたいとかねがね思っていたくらいなのです。
プレキャストのコンクリート板というのは、厚さも決まっていて、普通2階以上の床に使うもので厚さ15センチ、15畳以上の大きい間取り用でも17センチくらいなのだそうです。私の場合特に揺れに敏感なので特別に、費用はかかりますが3階床部分(つまり2階天井部分)に、普通の15センチのコンクリート板ではなく、広い間取り用17センチのコンクリート板を使ってもらうことになっています。
そこで、問題となるのが、当初予定していなかった1階部分の現場打ちのコンクリートなのです。担当の人によると、厚さ15センチもコンクリートを打てば、コンピューターの計算上も十分な強度が出るしまったく「大丈夫」なのだそうですが・・・。私の場合、「計算上」「強度上」大丈夫か否かよりも、問題なのは「体感」する振動であるわけです。そこで、「15センチ厚さの現場打ちコンクリート」というものが、実際問題どの程度大丈夫(あくまで、「体感的に」です、)なものなのか、おわかりになる範囲でお教えいただければ幸いです。
私なりにいろいろ調べましたところでは、分譲マンションなどでは「20センチのスラブ厚」を売り物にしているところも多いようでした。私自身も一時は分譲マンションの購入を考え、モデルルームに足を運んだりしましたが、分譲マンションでは大概、床の振動ということに関する不安はありませんでした。ですから通常、隣家との騒音を熟慮して建てているはずの分譲マンションクラスと同じならば、私の振動に関する不安はない、ということになると思います。
計画している家は、間口が狭くて4.5M、奥行き12.74Mです。一番広くて梁の間隔があるところでも10畳のリビング、とささやかなものではあるのですが、揺れが嫌で、家族が楽しく集まり、気兼ねなく騒いでも大丈夫なようにリビングは必ず1階に、と思っていた私にはとても気がかりなところなのです。
こういった感覚、ご理解いただけるでしょうか。もしご理解いただけましたなら、例えば15センチの「スラブ厚」と振動の関係について、あるいはより(体感的な)強度を増すためには、どのくらいまで現場打ちコンクリートを厚くしてよいものなのか等、ご教授いただければ幸いです。ちなみに、家を支える柱は6本で、おのおのの柱は60センチ四方、基礎はベタ基礎の予定です。長くなって恐縮ですが、何分にもよろしくお願い申し上げます。
回答
振動に関して多少過敏だというところは理解できました。
私は職業柄あなたと同じように敏感です。
施工のミスを許さないために・・・訓練されてしまいました。
鉄筋コンクリート構造のデパートの床に立つても振動を感じます。
(鉄骨造は論外です)
商品を選んでいても集中できないほどの
振動を感じることがあります。
地震ではないかと不安になることで一層振動が怖くなる
過敏症はあなただけではないと思います。
ただ、これらの振動で建物が壊れ崩れることは考えにくく
揺れや振動を発生させることで建物は外部からの振動を吸収していますので
より安全側に作用しているのでご安心ください。
ただ、揺れや振動はご指摘の通り、地上から離れれば離れるほど
大きくなることは言うまでもありませんので
このあたりの解決策が必要ということでしょう。
あなたの選択したコンクリート住宅は正解でしたが
この選択をプレファブにしてしまったところはあまりよい結果ではありません。
現場打ちコンクリートは厚みや間取り寸法なのが自由に設定できますが
プレファブの場合は工場生産品なのでこのあたりの対応が困難でしょう。
振動=音の伝播(中域から高域までの音)まで言えば限りがありませんが
これらの中高域の音の伝播はグラスウールやロックウールなどの
吸音材がかなり有効に吸収してくれます。
振動(低域の音は振動として伝播する)はこれらの吸音材では駄目です。
振動は比重の重いもので遮蔽区画することで防振となります。
メール中でも20cm厚さのマンションの床躯体はこの防振を目指したもので
上階からの振動を下階に伝播しにくくしました。
床材もフローリングの裏側にクッションなどを施したものを
直接張ることで上階の生活音をカットしようとしています。
ご相談でのご心配はこれら防音というよりは
振動に対して敏感に反応してしまうということですが原理は同じです。
できれば床コンクリートは厚ければ厚いほうがよろしいと思いますので
20cm程度にしていただくことはよろしいかと思います。
床仕上げ材もなるべくコンクリート面に直接張るような仕上げにすれば
コンクリート床面の振動だけを感じるところとなるので
躯体の振動に依存するところとなり、結果的には振動しない床を
体感できると思います。
床仕上げはいろいろな工法がありますが、いずれの工法にしろ
コンクリート躯体から密着せずに離してしまいますと
この仕上げ材自体がブカブカして振動を体感してしまうと思います。
最も良いのは地下室で地中に入ってしまえば
ほとんど外部振動は感じません。
それこそ地震があっても(縦揺れでない限り)横揺れなどは
地面と地下室が一緒に揺れますので体感の地震振動がほとんどありません。
先にも述べましたが地上から離れれば離れるほど建物が揺れることは
建物特有の自立法則のようなものです。
バランスを取っているという説明のほうがわかりやすいでしょうか?
それから、
ベタ基礎とのことですがこの基礎以前に地盤の状況は
きちんと調べませんといけません。
どんな建物であれ軟弱な地盤の上に建物を作っても
建物自体が軟弱地盤の上で踊ることはどこにでもあります。
設計とはこうした部分から解決を求めねばなりません。
どのようにお客様の要求を満足しようとしているのか?
そのあたりの解決策が設計なのです。
計算で確認できるものもありますが
それ以前の企画という部分がとても重要なことになります。
さらに、その設計に基づいて施工がしっかりしていなければ
何もなりません。
工事に関して検証が必要ということになります。
どんなコンクリートを流し込むのか?
鉄筋の太さや間隔や本数のチェックをしなければなりません。
これを監理といいます。(管理ではありません)
建築はそれらが満足できて初めて商品になります。
工場生産品はそうした点では安心感はありますが
自由度や融通性は乏しくこれらをやろうとすれば
個別設計や監理ということが必要になってきます。
プレファブの意義から外れたてしまえば
設計事務所にはじめからお願いしたほうが
納得がいく建物になることは間違えありません。
現時点では無理なことだとは思いますが・・・。
ハウスメーカーも同様に設計をして工事をすることは可能ですが納得がいくかどうかはわかりません。