スラブ厚と振動の関係

振動に関して多少過敏だというところは理解できました。

私は職業柄あなたと同じように敏感です。
施工のミスを許さないために・・・訓練されてしまいました。
鉄筋コンクリート構造のデパートの床に立つても振動を感じます。
(鉄骨造は論外です)

商品を選んでいても集中できないほどの
振動を感じることがあります。
地震ではないかと不安になることで一層振動が怖くなる
過敏症はあなただけではないと思います。

ただ、これらの振動で建物が壊れ崩れることは考えにくく
揺れや振動を発生させることで建物は外部からの振動を吸収していますので
より安全側に作用しているのでご安心ください。

ただ、揺れや振動はご指摘の通り、地上から離れれば離れるほど
大きくなることは言うまでもありませんので
このあたりの解決策が必要ということでしょう。

あなたの選択したコンクリート住宅は正解でしたが
この選択をプレファブにしてしまったところはあまりよい結果ではありません。

現場打ちコンクリートは厚みや間取り寸法なのが自由に設定できますが
プレファブの場合は工場生産品なのでこのあたりの対応が困難でしょう。

振動=音の伝播(中域から高域までの音)まで言えば限りがありませんが
これらの中高域の音の伝播はグラスウールやロックウールなどの
吸音材がかなり有効に吸収してくれます。
振動(低域の音は振動として伝播する)はこれらの吸音材では駄目です。
振動は比重の重いもので遮蔽区画することで防振となります。

メール中でも20cm厚さのマンションの床躯体はこの防振を目指したもので
上階からの振動を下階に伝播しにくくしました。
床材もフローリングの裏側にクッションなどを施したものを
直接張ることで上階の生活音をカットしようとしています。

ご相談でのご心配はこれら防音というよりは
振動に対して敏感に反応してしまうということですが原理は同じです。
できれば床コンクリートは厚ければ厚いほうがよろしいと思いますので
20cm程度にしていただくことはよろしいかと思います。

床仕上げ材もなるべくコンクリート面に直接張るような仕上げにすれば
コンクリート床面の振動だけを感じるところとなるので
躯体の振動に依存するところとなり、結果的には振動しない床を
体感できると思います。
床仕上げはいろいろな工法がありますが、いずれの工法にしろ
コンクリート躯体から密着せずに離してしまいますと
この仕上げ材自体がブカブカして振動を体感してしまうと思います。

最も良いのは地下室で地中に入ってしまえば
ほとんど外部振動は感じません。
それこそ地震があっても(縦揺れでない限り)横揺れなどは
地面と地下室が一緒に揺れますので体感の地震振動がほとんどありません。
先にも述べましたが地上から離れれば離れるほど建物が揺れることは
建物特有の自立法則のようなものです。
バランスを取っているという説明のほうがわかりやすいでしょうか?

それから、
ベタ基礎とのことですがこの基礎以前に地盤の状況は
きちんと調べませんといけません。
どんな建物であれ軟弱な地盤の上に建物を作っても
建物自体が軟弱地盤の上で踊ることはどこにでもあります。
設計とはこうした部分から解決を求めねばなりません。

どのようにお客様の要求を満足しようとしているのか?
そのあたりの解決策が設計なのです。
計算で確認できるものもありますが
それ以前の企画という部分がとても重要なことになります。

さらに、その設計に基づいて施工がしっかりしていなければ
何もなりません。
工事に関して検証が必要ということになります。
どんなコンクリートを流し込むのか?
鉄筋の太さや間隔や本数のチェックをしなければなりません。
これを監理といいます。(管理ではありません)
建築はそれらが満足できて初めて商品になります。

工場生産品はそうした点では安心感はありますが
自由度や融通性は乏しくこれらをやろうとすれば
個別設計や監理ということが必要になってきます。
プレファブの意義から外れたてしまえば
設計事務所にはじめからお願いしたほうが
納得がいく建物になることは間違えありません。
現時点では無理なことだとは思いますが・・・。
ハウスメーカーも同様に設計をして工事をすることは可能ですが納得がいくかどうかはわかりません。

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