質問
私も住宅に関する問題を抱えており、ご相談させて頂きたくお頼りさせて頂きました。また、Webでの送信が出来なかった為、メールににてお願い致します。
我が家は小屋裏3F付の木造2x4住宅で1998年4月に完成しました。現象は屋根に取り付けたテレビアンテナが、風により振動するのでが、この振動が家に伝わり何らかの原因で増幅される事で、ゴゴゴ-というように大きな音がするという事です。
小屋裏部屋の3Fで音がするのは分かるのですが、1Fの寝室にまで音が伝わり、夜などはうるさくて眠りに付けない事すらあり困っています。
当然業者に改善を依頼したのですが、原因が分からないということでなかなか対応してもらえず、約1年も経過してしまいました。アンテナを支える支線の振動と音とがシンクロしている事から、上記のような理屈で音が発生していると言うところまで突き止めたのですが、何故増幅されてしまうのかが分かりません。
業者では設計図上理由が考えられないという事なのですが、この住宅はそれ以外にも大工のミスによる手直しが数多く行われており、大工の仕事自体信用出来ない状況にあるので、設計図上での議論ではなく実物(住宅の屋根)を見た上で検討してもらいたいと思っています。
しかし、音に関するトラブルの専門家が見付からず、とにかく相談をさせていただいたという次第です。アドバイス下さいます様、何卒よろしくお願い致します。
回答
<はじめに: この回答はご相談のあった1999年10月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
2x4工法の特徴から話します。
2x4工法は力学的に
屋根の力を2階の壁の骨組みに伝え
この2階の壁の骨組みに伝えた力を2階の床に伝えます。
同様に
2階の床に伝えた力は1階の壁の骨組みに伝え
1階の壁の骨組みに伝えた力を1階の床に伝えます。
最終的には
この1階の床に伝えた力は基礎に伝えられて
基礎からその力は地盤に伝えられていく力学解決です。
またこの力学的なこと以外に
各床は床上面と下階の天井面とで箱を構成するような
工法になっており
床上面に伝えられた音はそのまま下階の天井面にそのまま共鳴して
伝播しやすい性格を持っています。
これを「太鼓」現象といいます。
ちょうど「太鼓」を叩く面を上にしたときに皮の部分が上下の面にきますが
この皮の上面が2階の床で皮の下面が1階の天井となります。
従いまして
「太鼓」を叩いて判りますように
上面を叩けば下面にも同様の振動が伝播され
音は減衰することなくそのまま下階に伝播してしまう結果となるのです。
ですから音は屋根からどこへでも伝播しやすい工法といえます。
これは2x4住宅の宿命と言われる部分です。
建築をするにあたり、ここまでは本来説明する必要がありますが
建築業者はここまでの説明を怠っていたり、
それらに対する処置を放置したりしている可能性はあります。
ですからおそらく誰かが2階で動き回れば
その音は1階に伝播してくると思います。
いかがでしょうか?
さて、本題ですが残念ながら
これは欠陥とは言いにくい部分と解釈します。
ただし、音の発生している部分を除去すれば
この問題は解決します。
取り付け場所を変えるのも手ですが
同じ状況になることも考えられます。
観察して欲しいのはアンテナの水平になっている
何本かの金属棒です。
性能を上げれば上げるほどこの水平金属棒(エレメントという)
の本数は増えますがそれだけ振動個所も増えてしまいます。
一度この部分の画像をお送りください。
アンテナ及びステーの近景と遠景並びに
アンテナの詳細が見たいのでエレメントの取り付け状態です。
できますでしょうか?