質問
ルーターでLANケーブルを張るとするとNTTの工事費はどのくらいかかりますか?
回答
基本的にインターネットLAN配線(弱電工事)は配管の中を通すことが原則で、LANケーブル(電線)だけで配線が行われることはありません。
なぜなら、将来的に配線ケーブル自体が時代の変化に応じいていくため差し替えられる必要があるからです。
以前はカテゴリー5(CAT5)=100メガ対応というものが主流でしたが、どんどん通信速度が速くなり、現在では配線ケーブルはカテゴリー5e(CAT5e)=1ギガ対応という種類のものが主流になっています。
より高性能(伝送帯域が上がる)なカテゴリー6(CAT6)=1ギガ対応やカテゴリー7(CAT7)=10ギガ対応のケーブルもありますが、一般住宅や事務所などではケーブルに接続される機器類がそれらのスピードに追い付いていないため、また高額なためカテゴリー5e(CAT5e)=1ギガ対応が広く使われています。
今後は10ギガ対応が必要になってくる可能性がありますね。
いずれにしましても、まずはどの階のどの位置にインターネットLAN環境が必要なのかを的確に選定する必要があります。
特に最近はTVなども相互通信ができるようになっていますので、TVの近くにアンテナケーブルとともにカテゴリー5e(CAT5e)が配線されていることが望ましいです。
また、インターネット環境ではケーブル配線を使った「有線」に頼らずにワイヤレスやコードレスといったケーブルを使わない「無線」で通信することもできるようになってきています。
配線の面倒が無いことでの美観や配管・配線工事費の軽減、さらには簡易に移動ができるなどのメリットから「無線」は普及していますが、反面のデメリットとして通信範囲が限られていることやコンクリートで仕切られた内外空間相互での電波の遮蔽性や速度低下なども生じることから重要な場所や速度を要求する場所には有線という選択をしましょう。
住宅や事務所などの工事は一般的には機器類を結ぶ(=接続する)のは電気工事屋さんやNTT(=フレッツなどの契約をした通信系の工事会社さん)が行う場合もあります。
また、上記LANケーブル(=電線)を配管に貫入することから建物を工事する電気工事屋さんが行うことが多いのですが、ケーブルは貫入せずに「予備線」という針金だけを貫入して、LANの配線を行うNTT(=フレッツなどの契約をした通信系の工事会社さん)がケーブルを入れたりモジュラーコンセントを取り付けたりする場合もあります。
配線ケーブルの先端はモジュラージャック(プラグ)で、壁などのLAN用のコンセントはモジュラージャック(コンセント)といいますが、これらの機器も前述したカテゴリー5(CAT5)対応なのかカテゴリー5e(CAT5e)対応なのかカテゴリー6(CAT6)なのかはきちんと見積り時点から指定しておきませんとボトルネック(通信速度が異なる機器を繋げると通信速度が遅いスピード以上にはなれません)になり通信速度は遅くなりますので注意が必要です。
つまり、取り付ける機器類の中にカテゴリー5(CAT5)以下の機器があれば、その機器から先はカテゴリー5(CAT5)以下の通信速度になります。いくらその先がカテゴリー5e(CAT5e)以上の機器を取り付けても通信速度は早くなりませんので注意が必要です!
というわけで、ご相談のルーターと各パソコンとの接続には宅内にLAN配管とその配管内に配線ケーブルが必要で、それらの工事はそちらの建物工事をしてくださる電気工事屋さんが行うことが多く、工事費は配管の長さ=配線ケーブルの長さにより異なりますし、それらの長さも住宅の規模によっても異なってきます。
配線は一筆書きのように配線(=渡り配線)されれば配線距離は短く済みますが、LAN配線はルーターを設置する場所から各部屋などへそれぞれ単独に配線される(=スター配線またはパラレル配線という)のでかなりの長さにはなります。
一般的な住宅でカテゴリー5e(CAT5e)=ギガ対応の配線ケーブルやモジュラージャック(コンセント)を採用するとしても工事費は5~10万円程度思われます。
一般的に通信環境の工事(弱電工事)はいろいろなトラブルを避けるためにNTT(=フレッツなどの契約をした通信系の工事会社さん)に依頼する場合もあればNTTではなく電気工事屋さんにお願いする場合もあります。
どのような場合でも接続による責任問題が生じるため、配管は誰が行い、誰が配線ケーブルの挿入とモジュラージャック(コンセント)などの取り付け工事を行うのか、また通信系の機器類などの接続を誰が行うのかを明確にしておく必要があります。
これを「工事区分を明確にする」といいますが、これをきちんと書面契約しておかないと通信系のトラブルが起きた時に責任を追及できませんので気を付けてください。
「光回線(専門工事)にする」というのも、実は光回線工事会社が外線から宅内DSU(TAに内臓も同様)機器の設置と接続までが一般的で、宅内外の配管や宅内の配線(弱電工事)は建物工事を請け負った工事会社さんの電気工事屋(下請け)さんが行うケースが一般的です。
以上となりますが、ご不明点や解決がみられないなど何かお困りごとがございましたら引き続きご相談ください。
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