質問
高齢者に対応するキッチンを考えているのですが、冷蔵庫を置くためのスペースや、置く位置(流しとダイニング等との関係)など分かりかねます。どうぞお教え願います。
回答
<はじめに: この回答はご相談のあった1998年11月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
こんにちは TTさん メールありがとうございます。
基本的には冷蔵庫の位置はシンクとコンロとによって決ります。動線が極力短いことが理想型です。 一般的には調理手順に従ってレイアウトします。調理手順を思い起こしてみましょう。
冷蔵庫からストックしてある調理材料(食材)を出したものはシンク付近でラップを取られて、解凍やまな板の上に載ると思います。まな板の上でカットされた食材は火(コンロ)にかけられます。調理が終われば食器に盛りつけ(調理台を使用)られて食卓に出されます。保存品は冷蔵庫に片づけられます。
このように分析すると「冷蔵庫の中には何が多く入っていますか?」これがとても大切な検討事項です。 つまり、調理材料(食材)がどの程度の量なのか?です。ボトル類が多いのか?レトルト系が多いのか?魚肉や野菜が多いのか?が重要です。これが生活スタイルを規定しているからです。
冷蔵庫をキッチンの奥にレイアウトすることもありますが、この場合は冷蔵庫がストックの役目をすることが多分で、野菜や魚肉類など調理材料(食材)が多く、シンクやコンロに近いのがリそうです。 レトルト類が多ければオーブンや電子レンジに近い必要がありますが、キッチンに近い必要はありません。同様にボトル類が多ければ冷蔵庫がほとんどキッチンにある必要はありません。 冷えたビールを取りにキッチンの奥まで調理中の奥様の後ろを通っていくご主人の姿はいただけません。というわけでひとつひとつ優先順位を付けていくと自ずと答えが見えてくると思います。
一般的に私たち設計者は多面的な情報の中から総合的な判断をしながら設計をしていきます。ちなみに TTさんはシンクで食器洗いをする場合水栓から出る水(お湯)で洗った後、この食器を乾燥するカゴに入れると思いますが、そのカゴは右にあった方が便利ですか?それとも左にあった方が便利ですか?また、そのいちに立って、冷蔵庫が後ろにあるとした、その冷蔵庫のドアはどちらに開いたら理想的だと思いますか?
というように、どうでもよさそうなことまでお尋ねして当社のキッチンは出来上がります。 当社の提唱する「主婦の体型に合わせたキッチン」とは「主婦がキッチンに合わせるのではなく、キッチンのひとつひとつが主婦の動作体型に合わせる」ので好評なのです。具体的な間取りなどあればその辺の情報をいただければもう少し詳細をお話できます。
また、高齢者の状況はどのように設定すればよろしいでしょうか?
高齢健常者で車椅子は利用しない設定でよろしいですか。
それとも高齢の車椅子利用者でしょうか?
どうぞよろしくお願いいたします。