地下を貴社で地上建物を建築可能ですか

<はじめに: この回答はご相談のあった1998年11月に
       すでにご相談者あて回答したものですが、
       当相談コーナーのシステム改善の都合上、
       再度編集して掲示しております。ご了承ください。>

たまたま静岡方面へ出張があり、直接お会いすることになりました。お会いしたところ現地を拝見することになり、工事可能かどうかの判断をしました。概算の工事費を算出して欲しい旨のお話を受けましたので、現地の説明資料のコピーを郵送していただくことにしました。直接お話した上記メールの回答は以下の内容です。

当社の業態は「建築設計事務所」です。
ご依頼はこうしたご相談が進展していくことで「依頼」の形態へ自然移行します。

私どものような建築会社・工務店に依存しない、独立した住宅を専門とする建築設計事務所は TI さんサイドに立って、(TI さんが雇われる「弁護士」や「税理士」の立場に似ています) TI さんのために建築に関する正確な情報を提供する立場です。したがって「弁護士」と契約すれば弁護士業務、「税理士」と契約すれば税理士業務と同様に、「建築士(建築設計事務所)」と契約すれば建築士業務を契約先とすることにとなります。したがって契約の相手先への建築に関する情報提供ということになります。

「建築(新築・増築・改築・リフォーム等)」を仕様とする場合、建築主は従来工事業者に直接依頼していました。しかしながら、時の流れと共に「技術の高度化」「建築材料の高度化」「工程の管理」「工事費の適正化」という部分で施工サイドにそれらを任せるのは困難になってきました。ましてや毎日現場に出て「汗をかく仕事」の施工者はそこまで追求できないのが現状です。建築士はこうした施工者に対して技術的な指導を与えながら、建築の法律から日進月歩で変化する建築施工技術を的確に捉え、建築主の立場に立って情報を提供するのが使命です。

今回のようなケースでは TI さんの意向にしたがって、「地下室の工事」に向けて設計をして、見積りを取り、工事をしていきます。

この時、間違えてはいけないのは、発注者はあくまでも TI さん( TI さんの建築士の私)です。建築業者はあくまでも建築工事に関する施工者という認識が必要です。ともすると、建築業者の主張をそのまま鵜呑みにする時代は終わりました。

具体的に業者に話をするのであれば、

『「ヴァンクラフト空間環境設計」さんに地下を設計してもらうことにしました。その設計に従って見積りをしていただけますか?。工事は相見積りになりますが、見積り内容を拝見した上で、工事実績と工事費等を十分検討させていただいた上で、適切な業者さんに発注したく思います』

と言えばよいのです。当然業者間での競争になりますので、相見積りをとりますので、同じ事をほかの業者に持ちかける事になるので、同じ条件下で見積もりができるようにするために図面が必要になるのです。

さて、ご質問の回答に戻りますが、ビデオの中での湿気に対する除湿機の使用は絶対条件です。また、十分な新鮮空気と換気も絶対条件です。このないように関して私どもにはノウハウがあるのです。

また、12畳程度の地下室をということですが、単純に地下室だけ作り、防音ドアや音の反響対策を内装に施した場合であっても諸条件の設定が異なると金額はかなり変わります。できたら現地を拝見させていただければ概算工事費は出せると思います。

以下は現地での簡易調査をして、帰京後に TI さん宛に送付したメールです。

こんにちは TI さん メールありがとうございます。

TI さんこんにちは。

先日はありがとうございました。

さて、地質および地盤状況の資料が下記に保存されていることがこちらの調査でわかりました。

大変申し訳ございませんが、資料閲覧のため下記にご足労願いたいのですが出来ますでしょうか。

資料閲覧先は

浜松市池(いけ)町220-10日管ビル南館3階
静岡県建築士会浜松支部内 地質・地盤記録 閲覧係
でんわ 053-454-9004 です。

記録資料の閲覧、資料コピー作業内容は

1.「ご住所(調査対象地名)」を担当者に伝え近辺の資料を閲覧する(閲覧は無料)

2.閲覧件数は自宅付近を含め3から4件程度あれば類推しやすい。(多少離れていてもよいので)

3.閲覧した資料をコピーする(有料)

以上です。30分程度で終わります。

コピーしてほしい資料の内容は

4.ボーリングデータ「柱状図(ちゅうじょうず)」

5.地質耐力データ

6.付近見取り図

7.その他必要と思われるもの(たぶん不要)

です。

特に4.の「柱状図」中に「水面」の記載があることと地質内容が大事なので確認してください。

もしわからなければ、窓口でも教えてくださると思います。

できたら、データ収集場所(住所)とご自宅とのおおよその距離が分かるとうれしいです。
距離的には300m以内ぐらいでご自宅に近ければ近い程よいです。

過去に購入された「マンション」も重量建物なので杭を施工するのに、こうした地質調査をしていると思います。

この窓口に資料の保存があるかもしれません。あればとても有効です。

以上よろしくお願いしたいのですが。。。

収集資料はこちらへとりあえずFAXいただいた後に、コピーのコピーを郵送していただけると助かります。

この資料は地下室設計の予備データとなります。

ご返信お待ちいたしております。

どうぞよろしくお願いいたします。

それでは、また・・・

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