質問
基礎部の換気を地窓にするかパッキンを用いた全周換気にするか悩んでいますが,土建屋さんは地窓を進めます。いかがでしょうか。
内装材はアレルギーがあるということもあり腰壁と天井はパインの無垢材を用い,腰壁より上はビニールではないクロスを使おうと思っていますが予算の関係で希望どうりには行かないかもしれません。そんなときの注意事項があれば教えてください。
また24時間換気システムを○社のものをつかおうとおもっていますがこのシステムの問題点他、べつになにかやすくてよいものがあればおしえてください。よろしくおねがいします。
回答
<はじめに: この回答はご相談のあった1998年11月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
こんにちは KKさん ご相談ありがとうございます。1階床下の換気方式に関するご質問ですね。
1階の床下の換気方法にはいくつかの方法があります。いづれの方法も換気することには変わりありませんが、換気する部分が違います。基礎部の側面に穴をあける方法(床下換気口)と穴をあけずに基礎上部と土台との間に空隙を作りその空隙にて換気する方法(パッキン工法)とが一般的です。 最近はパッキン工法が主流になりつつあります。
床下換気口方式は基礎部分に風穴をあけることになるので基礎が十分な耐力を発揮しないということがあります。よく見かける例では基礎のこの換気口周囲にひび(クラック)が多く発生しています。長年のうちにはこのクラックが大きくなって、最も耐力を発揮しなければならない「地震時」などの時に簡単に壊れてしまうことにつながるからです。一方では、在来での手法なので業者も手慣れていて建築工法的には簡易的な側面があります。単価的にも安くできます。一般の基礎価格の中にはこの換気口の設置価格は含まれます。
パッキン工法は基礎を欠き込むなどのことがないので堅牢なものになり易いので、最近、特に神戸の震災以来構造的にも有効な工法になってきました。ただし、土台と基礎間にパッキンといわれる資材を挟み込む必要があります。一定の厚みで土台の高さを揃え、換気用空隙を作ることになります。1階の基礎全周がこの対象になるので、どの方位からでも換気ができるので床下換気口式に比べて通風性能も向上しています。ただし、上記に比べてコストはこのパッキン分は確実に上がります。施工手間は換気口を作らなくて済むので多少安くできます。できたらパッキン工法をお勧めします。
次にアレルギーについてですが、ご家族のどなたかでも過敏に反応するようであれば考えた方がいいと思いますが、一般的にはご家族の健康状態をノーマルに維持することをお勧めします。
この問題は建築内部の仕上げ材料にあるばかりではなく、いろいろな空間で出会う問題だと思います。私たちが今まで生活してきた内容ではそれほど問題にはなりませんでした。
この問題は近年ある一部の報道から問題化しました。作る側がその報道を受けて「差別化のために」われもわれもと先駆的に「シックハウス」を取り上げました。しかし、アレルギー問題はわれわれ人類の生活環境の変化のみならず食生活にも起因しています。私は栄養バランスが崩れた人々ゆえの杉花粉症等アレルギーと考えます。もう少しいえば、アレルギーは人体の抵抗反応ですから、抵抗反応が出ないように無菌室を作っていくのでは人体は弱体化するだけなのです。根本の食生活を変えずして、一部の空間だけ変えても何の解決にもなりません。建築学のみならず栄養生理学も必要なのです。
次に24時間換気システムについてのお尋ねですが、私は○社を知りません。国産メーカーはいくつか採用したことはあります。 能力的に内外で変わるのでしょうか?メンテナンスは大丈夫ですか?部品交換などできますか?
24時間換気システムで大切なのは換気システムより高断熱高気密であることが最重要なのです。室内の床・壁・天井全面をビニールシートで外部ラップ(密封)する必要があります。空気貫流をダクトと出入口のドアの隙間でのみとりながらゆっくりと空気循環と換気をするものですよね。周囲断熱を含め設備にかなりの資金が必要ですが、ここまで投資する必要があるのかを十分検討された方がいいように思います。
こんなところでよろしいでしょうか。またお尋ねください。