狭小地での地下室付住宅

<はじめに: この回答はご相談のあった1998年9月に
       すでにご相談者あて回答したものですが、
       当相談コーナーのシステム改善の都合上、
       再度編集して掲示しております。ご了承ください。>

こんにちは ?S さん メールありがとうございます。

早速ながら、地下室の予備知識をご案内いたします。

<途中略>

次に、「ぎりぎり建築」の件ですが、一般的には民法上での50cmは離します。

たとえば、5mx10mの50平米の土地の場合、敷地境界周囲50cm内側に建てれば4mx9mの36平米です。

これで建ぺい率は72%です。

これは外壁ラインでの計算です。実際には申請上、壁中心は更に6~7cm内側が申請面積です。
つまり、正確には3.88mx8.88mですから34.45平米です。

これは68.9%に当ります。建ぺい率6割とはこのような状況を言います。

結構「ぎりぎり」に建築しても建ぺい率は少なめになってしまいます。

敷地が4割残るというのは外見上の錯覚なのですね。

よほど大きな土地であれば4割残っているように見えますが・・・。
狭小地であればあるほどこの建ぺい率はもっともっと少なくなります。
ますます「ギリギリ・・・・・」ですね。

また、ブロック塀の厚みは10cmありますから、隣地境界からは有効間隔は40cmですから人が通るものやっとという感覚です。

このくらいないと外部足場が建ちませんからメンテナンスでも苦戦します。

狭小地での建築テクニックはいろいろありますが、一番は工事費が割高になるのでこのあたりの格闘がテクニックといえましょうか。

狭小地では地上階も地下階の工事も同様に、工事費は規模に関係なく一律に高くなる傾向にあります。

それから、地下室の湿気対策は十分考えないといけません。
このノウハウは当社の設計に盛り込むものです。
この相談室の回答には多く回答しています。見つかるはずですので探してみてください。

次に、耐久性やメンテナンスについてですが、地下室の耐久性は鉄筋コンクリートですので、壊すまでとお考え頂いてよろしいかと思います。

メンテナンスですが、接地部分以外では地下室内だけが対象となります。

当社では内装はコンクリート打ち放しとしておりますので、一般的にこれは不要と考えます。

ただし、付帯設備(冷暖房・空調・換気等)のメンテナンスは機器寿命の範囲で必要です。

内装はコンクリート打ち放しまたは塗装以外カビの原因につながりますのでお勧めしていません。

床は湿気を帯びにくいハードなもので仕上げます。

除湿機は必需品です。音響効果(残響・吸音等)は書棚等にて効果を上げています。

とにかく吸湿性のあるものは避けた方がよろしいかと思います。

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