地下室工事などの残土処分費の考え方

住まい&建物相談

地下室掘削時に出る残土に関するお問い合わせありがとうございます。

一般的に、土といってもいろいろな種類があります。
黒土や赤土はもちろんのこと粘土、砂や汚泥(ヘドロ)などもあります。

地盤にもよりますがご相談者の計画地の土が一般土以外の水を含んだ汚泥(ヘドロ)でなければ残土処分費(運搬費込み)は1立方メートルで数千円程度です。
(この処分費単価は地域の処分場の受入れ体制などによっても異なります)

よって、地下室面積が10坪(20畳)とすれば33平方メートルですから、これに深さ3mを乗じた数値(99立方m=約100立方m)が体積となりますので、この約100立方mが残土処分量となります。

約100立方m×◆,000円=約◆0万円が残土処分費用となります。
(掘削費はこの額には含んでおりません。)

とても大事なことですので留意が必要なのですが、水を含んだ汚泥(ヘドロ)の場合は産業廃棄物となるため産業廃棄物の処分場へ搬入しなければなりませんので費用は倍化しますのでお気を付けください。

逆に、そのヘドロをそのまま産業廃棄物として処分に出すことは工事費(=お客様の負担額)ですから、この金銭的無駄をどのように抑えるか、無駄(=お客様の損)をどのように削減するかは建築設計者や工事監理者の知恵(ノウハウ)や技術的熱意さらにはお客様への誠意が作用することになります。

ですので、事前に敷地視察や地盤調査、地質調査を行い、その調査報告書をもって工事の仕方を設計より以前の企画段階から考えることも大事ですし、現場が始まって後に掘削をしている中でも土を見ながら臨機応変に対応するなどの改善が重要となります。

また、敷地が広ければ場内堆積やタイムラグを設けて後日処分なども検討対象となります。
こうした場合は排出土の処分費用ならびに運搬費用もかなり軽減されますのでメリットはとても大きいです。
いかに工事費の金銭的な圧縮を行うかはとても重要で、工法のみならず処分方法などについても先行的かつ予測的考察を調査資料から総合的に判断することができるのは建築設計者の設計者たる力なのだと思います。

何も考えずに「無駄(=お客様の損)」をスルーしてしまう建築設計者や営業マンも多いので、お客様もこの「無駄」をご存じなければ皆で「無駄」を見逃していることになります。
一般の住宅の基礎ではほぼ気が付きませんが、杭の工事や地下工事の場合は工事規模が住宅の基礎に比べて絶対量が多いので、その残土処分費の差額は50万円とも100万円とも膨らむのですから見逃すことは愚かなことなのです。

設計者も工事会社も職人さんも気が付かなければ誰が気付くのでしょうか?
無論、お客様も気が付かないのですが、設計者が損をするわけでもなく、工事会社が損をするわけでもなく、職人さんが損をするわけでもなく、しかるにお客様だけがお金を捨てていることになるのですからとても辛いことだと私は思います。

結果として、お尋ねの「残土処分費」はとても大事な検討事項なのです。

以上となりますが、ご不明点や解決がみられないなど何かお困りごとがございましたら引き続きご相談ください。

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アドバイザー:小杉卓(一級建築士)

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