<はじめに: この回答はご相談のあった2000年3月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
増改築リフォームの考え方では事前の調査がかなり詳細まで行き渡っていないと工事費がかなり動きます。「事前にどのくらい工事費用を用意しなければならないのか?」が工事予算ですが、工事予算は不確定要素が確定できてはじめて工事額が決まることになります。
となると、増改築リフォームの難しさは
この工事費の算定がもっとも難しいことになります。
新築の場合は事前に設計などで予定が立ちやすく、
仕様変更なども自由になり、かなり難解なことも
事前に処理がわかるので工事施工内容も確定でき、
この施工内容に伴う工事費用も明確になるのですが、
増改築リフォームの場合は既存建物内の調査もせずに
坪単価で見積りを組んで工事契約しても
着工後、仕上げ材を剥がし、骨組みが見え、
配管や配線が出てくるにしたがって
「こりゃー凄いや!!何てことだ!!」といいながら
あちらで20万円、こちらで30万円と
加算要素ばかりの工事費用が発生します。
ここからがトラブルの始まりで、
お客様がいいかげんに「お願いします」と回答すれば
リフォーム業者は「待ってました」とばかりに
追加工事費は留まるところを知りません。
このときに設計監理者のような第三者が見ているか否かによって、
業者の追加工事額の算定は変わります。
素人が騙されやすいのがこのあたりで、
工事が終わって追加工事費がなんと400万円
初期の工事契約額が1100万円で契約したのに
実質1500万円の工事費用になっていました・・・
なんてことはよくある。
だったらはじめから1300万円でまとめるくらいの
増改築リフォームをすべきです。
猫も杓子も「リフォーム業者」になってしまう現状は、
これら無責任業者を育てている発注環境があるからなのです。
何をどのように直したいのか?
何をしたらいくらかかるのか?
どのようにしたら利便性が上がるのか?
このあたりを十分調査し設計した上で、
はじめてリフォーム業者とお客様が工事契約をすることで
お客様は無駄に大金をリフォーム業者に上納する
(召し上げられている)こともなくなるのです。
さて、ご相談の内容に戻りますが
増築は過去の骨組みをいじる必要があるかないかによって
価格が大きく変わってしまいます。
また、キッチンや浴室やトイレなどの水まわり設備やガスなどの
諸設備や電気配線などを設備すると
費用はうなぎ上りにどんどん上がってしまいます。
今までの経験からして、完全二世帯の考え方は
一般の単世帯住宅に比べ1.8倍程度の費用がかかります。
総2階にする考え方ですとやはり骨組みも設備もということになりますね。
ましてや2世帯の場合は設備(電気・水道・ガス)のメーターを
分離するなど結構大変なものがあります。
築30年ということですとやはり建替えた方がよろしいかと思います。