二世帯住宅と自然通風について

<はじめに: この回答はご相談のあった1999年8月に
       すでにご相談者あて回答したものですが、
       当相談コーナーのシステム改善の都合上、
       再度編集して掲示しております。ご了承ください。>

><ご相談1>
>2世帯の分離としては完全分離を考えております。
>近所でも上下に分離にした2世帯住宅を見かけますが各階のデメリットは
どのようなことがあるでしょうか?特に上下階の温度差や水回りなどについ
て教えてください。

完全分離型の二世帯住宅は単なる重層の長屋です。
お互いに干渉したくないといおうところで接点を持たずに
住みたいという希望の元にこうした形式が形になりました。

とくにハウスメーカーが建てる間取りに準じてしまうところから
仕方なく「重層の長屋」を受け入れてしまうケースが多いようです。

大切なことは「二世帯」の係わりをキチンと持ちながら
お互いに干渉しながらも、離れた距離感で生活できることを
前提とするからこそ「二世帯住宅」なのではないかと思います。

これがマンションタイプの「重層の長屋」で完全分離に甘んじれば
世帯間の断絶は深まります。

メンタルな部分まで踏み込んで「二世帯住宅」を考えないと
それは単なる「箱」の積み重ねです。

お尋ねの温度差や水周りについてはフィジカルな部分ですが
これらはどのようにでも対応が可能です。

簡単に言えば誰にでも解決の出来る問題です。
温度差も水周りも各世帯で個別であるべきでしょう。

><ご相談2>
>古い考え方かもしれませんが、特に木造建築の場合は、やはり自然の風
(外気の温度差による換気)の換気が一番の様な気がしており、出来るだけ
エアコンや強制換気に頼らない家は今の建築様式の考え方からははずれて
いるのでしょうか?

あなたのお考えは正しいです。
また、古くもありませんし、はずれてもおりません。

私は24時間換気に抵抗しております。
その弊害についても問題が出始めています。
これだけ「高気密高断熱」が定着し出すと
「従前の工法」が新しく見えてくるのが不思議です。
あなたのお考えの通り「高気密高断熱」にも適切性がなければ
「相手は木材です」・・・腐ります。
それも密閉状態の強い2x4工法となれば
湿気はどこに逃げるのでしょうか?

先日愛知県の岡崎市で「スウェーデンハウス」のご相談を受けました。
高気密高断熱です。2x6だそうです。

私はお話しました。
「北海道の仕様を名古屋で実践する施主は不幸です」と・・・。
ハウスメーカーの広告に踊らされている施主は日本中にあふれています。

もう少し冷静にご判断頂くことが「日本の住宅建築には必要」です。
従前の「自然通風」がもっとも長生きが出来る建築です。
私はこれを提唱しています。

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