質問
築6年の中古住宅を購入しましたが、床・壁とも東と南に傾いておりご相談させていただきます。
契約時は床の傾きは判明していましたが、仲介の不動産業者は「床下に潜り確認しました。これはネダやせですから、フローリングを張り直せば全く問題ありません」と言って出入りの建築士とともに断言しました。
こちらは、それを信用し契約しました。
契約時に家内がよく判らないまま物件状況報告書と覚え書きに記名・捺印させられてしまいました。
物件状況報告には
・建物の東側への傾きを発見している。
覚え書きには
・建物の1階床部分が水平地盤に対し明らかに傾斜している事。
・建物の傾斜の直接の原因は平成12年3月27日現在において不明であるが、取引対象物件たる建物の主要構造部分の欠陥等によるものと推測される事。
・現地立ち会いを行いこれを了承し今後一切の異議を申し立てない事とした。
と書かれていました。
家内の話によるとよく判らないまま印鑑を押すよう言われたそうです。
ところが引き渡された建物を確認したところ床とともに柱も東南側に傾いていました。
柱の傾きは紐を約1m垂らして1cmずれています。
念のため床下に潜ってみたところ南北方向に長さ約5m幅2cm東西方向に約2m幅1cmの地割れがリビングの下に確認できました。
これが原因で傾いているのではないかと思うのですが、このような場合「瑕疵」として契約解除等は請求可能でしょうか?
現時点では引き渡されてまだ2日目です。
瑕疵の判定はどの様に、何処にお願いし費用はどの程度必要かも併せて教えて頂ければ幸いです。
尚、土地は東と南の境界が約1m下がっており、擁壁になっております。
擁壁はブロックで出来ており水抜き穴はみられません。
回答
ご相談は次のような要約になるのかと思いますがいかがでしょうか?
不動産購入に際して初期の時点説明を受けた内容と、契約時点で書面に書かれた内容が大きく食い違ってはいたが、契約時点の書面の内容が十分理解できていない状況にもかかわらず調印に応じ、引渡しを受けた。
契約後、購入物件に気になる点がいくつかあり、書面の内容を現地確認を実施したところ、1階の居室床下の地盤に亀裂が生じていた。
この地盤亀裂は建物が傾いてしまった原因として考えられるので「瑕疵」と判断したい。
よって、これが「瑕疵」に当たる場合は契約を解除したい。
こういうことですね。
不動産の販売会社はほとんどがその物件について2社から多いときには5社程度の仲介が入って販売しています。
はじめの説明を受けたときはお客様にもっとも近い販売代理人で契約の調印に出てきた不動産販売会社は売主側にもっとも近い販売代理人でしょう。
このあたりであなたに最も近い不動産販売会社はこの物件を熟知していない状況であなたにこの物件を勧めたと思われます。
ただし、調印に先だって説明をしたときにはこの販売代理者は立ち会ってはいたものの、重要事項説明を他の販売代理者に任せた状況がありませんか。
このあたりが話の食い違いの原因ではないかと思います。
さて、これは明らかに「瑕疵」です。
が、この瑕疵を販売者は承知をしており、あなたにこの「瑕疵」を告知した上で販売しているように思われます。
ただし、
>取引対象物件たる建物の主要構造部分の欠陥等によるものと推測される
という「主要構造部」は建築の基礎から地上の建物の骨組みや屋根について差しているものであり、地盤についてはこの内容には当たりません。
また、
>現地立ち会いを行いこれを了承し・・・
では、現地での立会いは行ったものの、地盤の亀裂についての確認はなかった。
建築の主要構造部の欠陥については了解しているが、建物を支えている地盤の亀裂については了解していない。
このあたりを根拠に契約を破棄するということになりそうです。
しかしながら
>今後一切の異議を申し立てない事とした。
という文言がどの範囲まで及ぶのかによって反論できるのかどうかが決まりそうです。
この内容は建築の範囲を超えて訴訟的な内容になってきています。
できれば建築の専門家ではなく法律の専門家(弁護士)に相談した方が賢明でしょう。
お近くに弁護士さんがいらっしゃらなければご紹介しますが、横浜市役所の中にも無料の法律相談窓口がありますので至急ご相談された方がよろしいかと思います。
また、これは明らかに「瑕疵」であると思いますが建築に関する専門家が必要であるならば横浜市役所内の建築相談コーナーでお話を受けてくださいます。
一度お尋ねください。
なお、最悪この物件をご購入せざるを得ない場合、今後の工事に関する処方につきましては一段落しましてから私どもでもお話をお伺うことは可能でございます。
ご縁がありましたらご連絡ください。
以上となりますが、ご不明点や解決がみられないなど何かお困りごとがございましたら引き続きご相談ください。
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