二年ぶりで熊本・天草へ。
女房の帰郷に同行。
途中、震災被害の熊本城を見舞う。
復興には20年を超える歳月と
634億円の費用が必要で
現在の復興城主による支援金
(2016年11月1日受付開始)は
この約2.5ヶ月間で約20億円とのこと。
それにしても基礎(組積)構造は意外にお粗末。
なぜ、『土』が介在せずに『石』だけなのか?
組積石の敷き込み、仕組みに疑問が湧く。
当時は機械力も無いので必然だけれど
組積の『裏込め土』が無く『割栗』のみの
構成ではないか!
組積擁壁の作り方がお粗末だから
表面の組積石がひとつでも外れれば
その後ろの組積石が前に出て
連鎖的に次から次へと噴砂状に
崩れ始める。
尤も、大地震という相当強大な外力(いや内力か?)によれば
過去の経験値を超えてしまったということか。
城壁背部の裏込めの砂利は割栗は多くあるが
角のない丸みを持った『玉石』もある。
なぜ、玉石が混在するのだろうか?
角がないから歯車のような噛み合わせがない!
つまり、相互の石が丸いから滑ってしまうだ!
ただ、幸いなことに建物がきちんと載って
上からプレス(積載加圧)された石積みは
大きな城壁石が動かなかったので
内部の石の崩壊はあったけれど
建物の土台の粘りで倒壊までには至っていない。
いかに角張った石、特に『楔(くさび)型』の
石が重要かがわかる。
西洋建築のアーチの中央に刺す『キーストーン』は
まさしくこの『楔石』なのである。
世の東西を問わず、肝心要になるものは
同じ理論で成り立っている。
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