昨日の朝刊(朝日新聞)のトップ記事に『大手の景況感、大幅悪化』の文字がでかでかと載る。
「え、エッッ! 今頃、『大手の景気は大幅悪化』なのかい!!大手はなんと鈍いことか!」と感じた。
ここ数年“北京オリンピック景気”もあって大手企業は中国など新興国や資源国など海外への外需拡大に重心を置いている。
これは内需が一服していたこともあり、マーケットを日本国内ではなくて、海外に求めてきたことに起因する。
世界の建築需要を探っても明らかで、例のドバイや上海・北京をはじめとしたマーケットの先端では超大規模プロジェクトが着々と進行しており、こうしたプロジェクトにはほとんどの日本のスーパーゼネコンが絡んでおり、技術支援している。
ただ、関連する資材供給も日本のスーパー大手の商社が名前を連ねているし、さらには金融系投資機関がバックフォローしている実態を知れば、ここには景気減速感は感じない。
つまり、彼らには一連の連携があるし、先端的・独走的な仕事をしているので景気に対する不安感や減速感はほとんど感じず、逆に好感視するものと思われる。
当然、そうした企業らは政府の関係機関とは業務上の受注関係にもあり、横の繋がりはかなりでも濃密な関係が形成されているので、景気判断を逐次求められる状況はお手軽な情報源なのか。
だが、彼らにそれ求めても、その情報は国内景況とはいうより海外景況であって、国内の景況情報は後回しになってなかなかその実態が反映されない。
国内の景気状況が反映されたとしても、今回の記事のように思い出したように反映されるので、はるかに『鈍感な景況感』情報となるのだ。
概ね半年から1年以上は遅れている。
1年前の景気後退感は“国内の住宅着工件数”を見れば明らか。
大手マスコミも海外市場を持つ大企業ばかり取材していないで、国内の、それも地方の小規模な設計事務所を調査対象にすべきである。景気情報は大手とはまるで違った先取り指数となり信憑性もあるからお試しあれ。
それほど地方の景気は1年前からすでに落ち込んでいた。(全国の設計事務所仲間から私のところに入ってくる景気情報は1年前から不況感が聞けていた。)
取材メディアはもっと敏感に感じるアンテナを持つべきであり、もっと国内に向かった市場経営者から情報を聴取しないと、コメントの信憑性はかなり低く、新鮮味はない。
昨日(6月22日)の新聞紙面の景気記事は、私からすれば1年から半年も遅れた記事であり、驚きもないし、逆に新鮮味もなく、報道機関としての使命を疑う。
政府および日銀の景況感判断は、常に2テンポ(2四半期)ぐらい遅れていると思うのは私だけでしょうか?
cosugi : 2008年06月22日 09:24