F市の現場で地下室を築造するに当って、この現場の敷地が遺跡の指定地域に該当するので、先月ピンポイントで試掘したところ、約1.5m程の深さでバッチリヒットしてしまいました。
遺跡は大昔(旧石器時代)のものということですが、これまでに私の体験では遺跡が発掘されたケースはほとんど無かっただけに驚きでした。
一般的には地上建物(地下なし)で建築する場合が多いので、基礎なども深く掘る必要がありません。
つまり、遺跡は大昔から堆積した土砂によって埋もれている場合がほとんどなので、ある程度の深さまで掘らないと発見されないと言うことなのです。
ですから、今回のように地下3.35mまで掘削する場合こそチャンス到来なわけで、F市役所の文化財保護関連の部署はそれこそ諸手を挙げて喜んでいます。
確かに、お客様にとっては工事の進捗に影響することなのであまり喜ばしいこととは言いにくいのですが、ある意味では建物が建築されるこの土地の中に太古の昔からの『遺跡』という歴史的な発見物があったということは、大昔から現在までの中継走者(土地の所有者)としてバトンを受け取り、未来の子々孫々までバトンをつなぐすばらしい伝承的事実が見つかったことと言えます。この歴史の重みの実感は他の所有者にはわからないと思います。 遺跡調査は概ね2週間程度で完了するということです。
早く工事着手したいところですが市の文化的な遺産の一助として、お客様とともに寛容に見守るところです。
cosugi : 2008年07月02日 02:58