デザインエッセンスを探しに外苑から南青山を経て神宮前へ
木材や竹の使い方が上手い!
スロープはモルタルだが厚みが5㎝ほどでその厚さのまま頂へと。
両サイドは単に竹だけを並べるのではなく、道路との結界としての柵や樹木の枝や倒れ止めのための支柱を兼ねて、しかも腐りにくくかつ色も主張しないように焼いてある。
木柵は地面と接する部分を黒鉄にして少し離してあったが、根差せば土中が竹と木柵とで乱雑となりこうした格好にはならなかったに違いない。
スロープの先にこんもりと土を盛ってその苔山の頂に沙羅の木を1本・・・。
足を進めると日本料理店の入り口になるのだが軽快感を以ってスロープを上り始められるのが不思議だ。
軽快感が期待感となって味へとつながる。
隈研吾氏の事務所下の環境は事務所周囲の世界観からして違う気がした。
なるほど!と納得してしまう自分がいる。
事務所向かいの寺のアプローチ。
視線の先に何があるか期待感が膨らむ。
高低差を上手く使って視線を上へと導く。
竹に包み込まれた参道は遠眼鏡のようにつくられていて、筒の先には山門があり、その先に光が差して社務所へと導かれるように。
都会の中なのに笹を揺らすカサカサ音が心地良い。
南青山の家具ショップのロングテーブル。
長さ3600mmのロングテーブルは今主流のウォールナット材。
1本のウォールナットを割いた2枚を反転して接いで(=はいで)契り(=ちぎり)で結んで幅1200mmにしている。
契りは5カ所あって中の3カ所は(表面から出ている契りが)磁石で簡単に外せるように配線孔になっていて電源コードやプロジェクタケーブルが通せるようになっている仕掛けが美しい。
自然木をそのまま耳付きで接いでいているのもあって、画像下が元(=もと)で画像上が末(=すえ)なのだが胴がややくびれているので元から見ると反って見えて、まるで航空母艦のカタパルトに見えるのが面白い。
10人の重要会議ながらそのカタパルトの先には世界的なプロジェクトの説明が展開されている・・・。
とても良い空間が展開できそうである。