本日は日曜日ながら午後2時から国分寺市の耐震診断セミナーに参加した。
国分寺市は今月(7月15日)から既存住宅(適法建物)の耐震化に向けた補助事業を開始した。
負担の割合は耐震診断診断費用(住宅規模によって約12万円?20万円程度)に対してその費用の8割を市が負担し、2割を市民(住宅所有者)が負担するというもの。
診断実施後、その診断内容によって耐震改修するか否かを市民が検討する。
ただ、一般的には住宅の改修は耐震化以外に付帯してリフォームがともなうことが多く、この点については市側は関与しないという。
したがって、診断診断費用に平行して進む『リフォームに向けた設計監理業務』に関しては「市民の理解が得を得るよう努力して欲しい」とのことだった。
これを聞いてガッカリするのは、市側の『設計監理業務に対する市民へのアピールの欠如』である。
窓口である市が単に『耐震診断を奨励』するにしても、その診断に関与する建築士のポジションや待遇についてきちんと説明せずに、『耐震診断』だけを取り上げて、「後は知らない、感知しない」というのはいかがなものだろうか?
市は『耐震診断のみ』にとどまらず、きちんと『耐震診断→耐震改修+リフォーム』にいたる部分まで建築士の関与について説明し、業務報酬に関しても市民にきちんとした事前告知をする必要がある。
おそらくこれを市側が行わずに実施案件が増えれば、建築士業務への理解は低いままで、責任だけが重く報酬も少ないことに起因する『姉歯的トラブル』が続出すると予感する。
大事なことは、『診断』や『設計』、『監理』といった各種の正当なジャッジ(判断)に対する業務の理解と適正な業務報酬は社会的に認めねばならないということである。
cosugi : 2008年07月06日 09:08