質問
住宅ではないのですが、歯科医院を建設し、業者と追加工事費について折り合いがつきません。平成10年2月に工事業者から請求があり、同年4月にこちらとしての返事を文章で通達したのですが、その後何も追加工事費に関する連絡はなかったのです。
しかし平成10年12月に内容照明で請求が来ました。工事業者も倒産しており、その後1年以上正式な請求が来ておらず、支払う必要性があるのかも疑問です。
金額的にも、設計士の査定との開きが大きく納得できません。いまだに、雨漏り等の工事不良個所があり、支払う必要性があるにしても、納得した金額でなければ支払いたくありません。
現在、設計士に返信の文章を作成をさせておりますが、支払う必要性があるのか、納得いく金額に調整するためには、どのような方法がいいのか、弁護士を早めに依頼したほうが良いのか、第3者的な立場からの御意見を教えていただけると幸いです。詳しくは次の通りです。
平成9年春に工事業者と契約し、歯科医院の建設を始めました。平成9年11月に引き渡しとなったのですが、業者より倒産寸前で、不当たりを出してしまうと泣きつかれ、設計士の立ち会いもないまま引き渡しを了解しました。
引き渡しを了解してしまった自分も世間知らずと言われてしまえばそれまでなのですが、ドアと言うドアの施工不良、診療室のフローリングの施工不良、塗装関係の不備など、とても引き渡しを了解できる状態ではなかったことは事実です。
ただ、当初10月開業予定が、ひと月も遅れていたために私自身の焦りもありました。その後、12月に500万円の追加工事費の請求が来ました。設計士の査定では260万円で、その差額が著しいため、とても納得出来る数字ではありませんでした。
また下請け業者から直接私の所に「工事費を全くもらっていないので、ここの仕事はもうやりたくない。」とクレームの処理を断られたりしたこともあり、工事業者の私の支払った工事費用の用途に対して不信感を抱きました。業者が発注したものではなく、設計士が自ら追加した追加工事費に関しては、別途直接下請け業者に支払いました。
その後、工事業者は倒産したのですが、平成10年2月19日付けで420万円の請求が来ました。設計士の配慮で、カヒ責任の保証として、工事業者の代表の念書はもらっています。金額的に納得は出来ません。
しかし、歩み寄りがなければ解決しないものと思い、平成10年4月にその返事として、設計士との相談のもと追加工事金額を300万円として、工事業者が以下の事項を処理した上で支払うと文書で通達しました。
1.雨漏り等の不完全な工事部分の処理。
2.下請け業者への支払いに関しては、施主から直接支払いをするか、下請け業者から工事業者への支払いを了解する旨の念書を提出する。(本工事の金も下請けに支払われていないため、追加工事費の用途をはっきりさせてほしかった。)
3.最終精算金額300万円の精算明細提出。
4.念書の信頼性がないので、保証金として瑕疵期間の1年間100万円を預かるか、関連工事下請け業者の連帯保証書を提出する。
その後、なんの返事もなかったのですが平成11年12月28日付けで、内容照明で420万円+違約金の請求がありました。平成11年の2月位に、別の設計士に相談したのですが、一般的に業者がつぶれた場合、1年以内に弁護士から支払いの請求があるはずであり、現時点で請求がなければ支払う必要はないと言われました。基本的に支払う必要があるのか疑問です。
さらに、開業当初にドアの立て付けや、診療に際し患者さんに不快感を与える恐れのある部分に関しては、工事業者が修理してくれなかったため、別の業者に入ってもらい何とか開業に漕ぎ着けたのですが、その工事代金も40万円かかりました。
また、当初から待合い室、診療室で雨漏りが生じており、おこるたびに、設計士に連絡し、工事した業者の人が入るのですが、平成12年の現在でもまだ完治していません。
他にも不良個所はたくさんあり、何回か修理に入ったものの、対応策も付け焼き刃的なもので、根本的な解決には何もなっていませんし、修理自体納得出来るものではありません。
業者にとっては何軒の中の1軒なのでしょうが、私にとっては人生の最大の勝負でありこのような結果になってしまったことは大変残念です。
回答
<はじめに: この回答はご相談のあった2000年1月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
内容証明の差出人はどなたでしょうか。
破産管財人からではありませんでしょうか?
もし破産管財人からですと少し厄介です。
あなたは弁護士を探して介入を依頼する他ありません。
あなたの建物が建築業者から引渡しを受けていない場合は
倒産会社の資産ということになりますので
あなたの建物も負債金額の中にあります。
ただし、引渡しを受けてこの建物があなたの所有として
登記を済ませているのであれば特に問題はないと思います。
支払い義務も発生しないと思います。
基本的には建設会社の倒産が予測できたときまたは明らかになった時点で
あなたはあなたの財産として権利を主張しなければなりません。
それが工事請負契約の解除処置とあなたの建物の財産保全処置です。
倒産したからといってただ待っていてはいけません。
倒産によって負債を抱えてしまった会社は
その財産を差し押さえに来ますがこのあたりはどうでしたのでしょうか。
基本的にはあなたの建物に対して
これ以上工事に付き合ってくれる業者(下請け業者など)はいないと思います。
元請け業者が倒産すれば下請け業者は元請けからお金がもらえないとわかれば
施主から請求せざるを得ないでしょう。
下請け業者が良心的に工事を継続してくれるケースはごくまれです。
一般的には工事は中断してしまうことが多く
中断して再開するには他の業者に以降の工事を依頼する以外に
方法が見つからないのが普通です。
倒産した会社から瑕疵に対する念書があったにしても
どなたが工事に来るのでしょうか?
倒産した会社はその責任が負えなくなったので「倒産」したのです。
倒産した会社と繋がっていることは不自然だと思いますが・・・。
やはり弁護士さんに入っていただいたほうがよろしいと思います。
なお、当社には顧問弁護士・顧問税理士・土地家屋調査士・測量士もおりますのでよろしければご相談ください。
また、建設会社の倒産によってあなたがダメージを
受けないシステムもございます。
そのあたりをご確認の上、できる限り建設会社の下請けではない
独立した建築設計事務所と設計監理契約を行った上で
建築会社と工事請負契約を締結されることをお薦めします。
根本的な原因はこのあたりにありそうです。
どうやらご相談本文中の設計士さんは介在が不明で何とも情けないように思います。