<はじめに: この回答はご相談のあった1999年4月に
すでにご相談者あて回答したものですが、
当相談コーナーのシステム改善の都合上、
再度編集して掲示しております。ご了承ください。>
マンションでの不具合のご相談ありがとうございます。
>マンションは6階建て6階東南角3LDKの住戸です。
最上階の東南の角という位置関係は良い位置ですね。
ただ、最上階なので日射、強風による影響は他に比べて多いと思います。
> Q1.玄関の結露がひどく、金具部分がすでに腐食し始めています。
冷たいようですが、これは工事に起因しないと思います。
基本的には室内の結露は室内空気の停留によるところが多いのと
室内で発生する水蒸気量の多さが原因です。
新築建物の場合はどんな建物でも水蒸気は多く存在します。
できれば除湿機をお買い求めになって設置していただくのが改善策といえます。
一般的には空気中の水分は65%から70%程度が最適な湿度です。
50%ということになると人体に影響が出てきます。
濡れた部分はこまめに拭き取ってください。
室内の水蒸気量が少なくなれば自然に結露はなくなります。
後は十分な換気をしてください。
> Q2.ドア枠のペンキが(結露により?)少し剥げてきています。
工事に起因するかどうかは分かりません。
ペンキが浮いてきているとすれば下地処理の問題かもしれませんが
ドア枠がペンキというのは最近では少なくなりました。
1.の処置をして頂いて様子を見ましょう。
> Q3.フローリングの床鳴りがひどく、直してもらったところ(カッターを入れて、音なりを消した)今度は床が沈んでしまった。
工事に起因します。
基本的に「床鳴り」は下地から処理をやり直す必要があります。
ただ、どのように施工されているのかは工事業者それも担当者でないと
解からないと思います。
カッターを入れて床鳴りを止めることで解消する場合もありますが
床が沈むことはありません。下地に問題がありそうです。
> Q4.壁紙については玄関、廊下、洋室、和室にそれぞれ継ぎはいであったり、破れているのにそのまま貼ってあったり、輪じみが残っている。
工事に起因します。
壁や天井のクロスは幅が決まっておりますので継ぎ合わせになります。
この継ぎ合わせの上手下手によって内装業者の技量が決まります。
中には継ぎ合わせ技術が下手な業者もおります。
また、欠損品を貼ることは問題がありますので貼り直しを要求したいところで
す。
> Q5.洋室は、角部屋になっており、東向きにあるが結露がひどく、床が黒く変色し、カビがはえてきました。
1.によるものと同様と考えます。
> Q6.花台の様な小さなカウンターがあり、その部分だけが注文した色でない色に塗られ、ちぐはぐです。
工事に起因します。
注文をした事実があり、工事業者から注文した色にならない旨の説明がなく
違う色で塗装されている場合は塗り直し、または製品の交換は要求できます。
> Q7.キッチンは、シンクとトップのシーリングされておらず、1~2ミリのすき間があるため、水あかが溜まる。
工事に起因します。
一般的には既製品を使いますのでこうしたことは考えにくいのですが、
どちらのメーカーなのかにもよりますが、メーカーに連絡を取って
一度見ていただくことをお勧めします。
普通はシーリングではなく樹脂製のパッキンが多いと思います。
> Q8.キッチンのタイルが1カ所、割れている。
工事に起因していそうですがいつ頃割れましたか?
キッチンのタイルの割れは下地によりますが
ガスコンロ廻りだとすると「熱割れ」の可能性があります。
割れている場所はどちらですか?
> Q9.外壁のタイルより、白い石膏のような染みが出来ている(至る所から、日を追うごとに増えています。)
やや心配ですが、外装のことはご自身では決められません。
お住まいになられているマンション管理組合へご報告ください。
ちなみに、これはタイル張りの特徴でしてコンクリート躯体というよりは表面のタイルを
貼っているモルタルに含まれる「石灰」が出てきています。
水分をどこかで吸っている可能性があります。
貯蓄している管理組合費をこうした共有部の修繕に使います。
5年から10年程度の周期で修繕を行いますが
マンションの管理組合法に遵守した
そちらのマンションの管理組合規約をお持ちだと思いますので
そちらをご覧ください。
>
Q10.雨が降ると、バルコニーの雨垂れが、手すりに当たりひどく内側にはねてくる。
工事に起因します。
ただ、雨が降っているときはベランダ周囲も濡れていると思われます。
雨垂れの跳ねがひどいのはどんな時でしょうか?
廻りは乾いてしまったのに依然「ポタポタ」している状況であれば
上部階(屋上)の水の処理に問題がありあそうです。
屋上は占有部外(居住戸以外)の問題は管理組合経由でないとなりません。
マンション管理組合へご報告ください。
>
Q11.南向きのバルコニーがガラスになっていますが、(温度差が原因?)いつの間にか4枚中の2枚が割れてしまった。(現在調査中との事です。)
工事に起因するかどうか分かりません。
「ガラスの熱割れ」はたまにあります。
風圧や日射やガラス自体の特性もあり一概に原因が分かりません。
これもこのマンション全体に関係することです。
他の住戸でも同様の事例があると思いますので
こちらもマンション管理組合へご報告ください。
>小さなこと(と思われるかも知れないこと)もありますが、特に結露の1、5については深刻に考えております。
>建設業者の対応にも腹立つことが多く困り果てています。
お気持ちは分かりますが
工事に起因するものとそうでないもの
また、ご自分ですべきなのか
管理組合でするべきなのかを
もう一度冷静に判断してみましょう。
戸建ての感覚とマンションの感覚が一緒になってしまうと
処理を間違えてしまいます。
極力、マンションの管理組合を利用して
ご自身に負担がかからないようにすることをお勧めします。
基本的にはマンションの場合は
隣接または上下に同様の間取りが並んでおりますので
同様のトラブルは発生していることが多いのです。
こまめに住人の「建築的なトラブル」を収集しましょう。
最上階の東南の角にお住まいということでの特殊解としての
トラブル(上記10、11のような)はあるものの
これもマンション全体の問題です。
こうしたマンション全体の問題に近い部分は
やはりマンション管理組合へご報告いただき
同様の事例をもって管理組合という立場で建設会社と交渉
することが強制力も大きいと思います。
最終的には組合が弁護士を付けることも可能でしょう。
住戸内の「不具合」は契約書の内容に改善の範囲が明記されていると思います。
一般的には1年から2年を経過してしまった不具合は有償になってしまいます。