地下室の工事坪単価を公開
はじめに、「御社は建築設計事務所なのになぜ工事坪単価を公表できるのすか?」というお問い合わせをよくいただきます。
確かに弊社は建築設計専門の会社ですので工事請負はいたしておりませから無理もないご質問です。
ですが、弊社は役務として建築設計し放しというわけではなく、お客様のご資産(ご予算も含む)をお守りする観点から建築工事のご予算管理もいたしております。
ですので、各種工事費の変動についても逐次専門工事会社さんと意見交換をさせて頂いておりますことから情報の提供をさせて頂こうと考えております。
一般的には、大工さんをはじめ工務店さんはご自身も基礎工事や地下室工事や擁壁工事などについては下請けの専門工事会社さんお任せということがほとんどなので、即答に困ることもあり、なおのことお客様がお知りになりたい工事費はかなりアバウトなことが多いようです。
特にハウスメーカーさんの営業さんは専門外過ぎてご存知ない方が多く、とてつもない工事額をご提示される方もいらっしゃるようです。
そうしたこともありますので現状認識という形で地下室に関する工事費用について以下に公開いたしております。
どうぞご参考になさってください。
なお、単独地下室はもちろん、住宅の地下室および地下車庫や擁壁、人工地盤なども対応可能ですし、地下室付のアパート・マンションやビルなどの賃貸収益物件にも応用できます。
積算条件
下表工事費の積算条件は以下です。実際の工事費は各敷地条件、周辺環境により異なります。
地下工事が可能かどうかも含め、敷地条件、各種条件につきましてはご相談ください。
<ご相談は右サイドメニューよりメールにてご相談ください>
- 接道道路:良好(幅員4m程度かつ大型車両通行可)であること。平坦地以外はお問い合わせください。
- 敷地勾配:平坦地(前面道路と段差がない)であること。
- 建設機械運用余地:幅員3m以上の通路があり、掘削機械が場内で回転できること。
- 内部階段、防音ドア、サッシなどの建具:下表に含みません。
- 上部荷重:木造2階建規模の荷重にて(実際はご希望の構造・規模で自由に設計できます)
- 各種付帯設備工事費、電気工事費:下表に含みません。
- ドライエリア面積:下記地下室面積=地下室+ドライエリア面積で算出しています。
- 地下水位:地下基礎底面より深いこと。地質調査などにより判明します。
- 木造基礎:下表に含みません。
- 床・壁・天井などの内外装仕上:コンクリート打ち放しを基準とします。
- 防音性能:地中になりますので基本的には音漏れはしません。詳しくはお問い合わせください。
- 躯体天井高:2.75mを基準としておりますが、ローコストなどの場合はご相談ください。
※敷地条件や周辺環境によりいろいろと変わります。ご不明な場合はお問い合わせください。
※上グラフ、下表の価格に消費税は含まれておりません。(弊社指定業者の単価を参考にしております)
☆ ご案内 : 上記グラフおよび下表の価格(工事費)は2002年に改定したものですが、原油の影響のほか、鉄筋鉄鋼、型枠合板など建築資材が高騰した関係で、2008年8月において上記グラフおよび下表の価格より1■■%程度にコストUPしておりました。
2012年3月なおも原油価格がやや上昇傾向ですが、鉄筋(鉄鋼)材料や型枠材料の価格は一服しており、実質1■■%程度のコストアップに落ち着いておりました。
その後、コンクリート、鉄筋、合板型枠などの資材は横ばいでしたが、2014年4月の消費税率8%への増税ともに2020東京オリンピック・パラリンピックを視野に入れたホテル・宿泊系および転用可能建物建設への職人集めが始まり、巷では職人不足を理由とした職人さんの賃金が値上がりはじめております。
2017年4月の時点では上記グラフおよび下表で500万円だったものが◆◆◆万円になるなど、資材コストアップも含め概ね1●●%程度変動しております。
2019年2月の時点では上記グラフおよび下表で500万円だったものが▲▲▲万円になるなど、資材コストアップも含め概ね1××%程度に変動しております。
2019年現在の工事坪単価をお知りになりたい方は右連絡先からメールいただけましたらご案内させていただきます。
地下室工事坪単価公開
(2002年公開版=2019年現在では1××%に変動しています)
地下室の大きさ 畳数 (㎡数/坪数) |
地下室躯体(筐体)工事費 | 地下室本体工事費 | 躯体工事費 |
(純粋な地下室のコンクリートの箱の工事費でドライエリアなども面積に含みます。仮設工事費・経費は除外した金額を表示) | (地下室の内装や電気設備、装置類、ポンプ設備、杭・地盤改良工事費などを除いた金額。左欄+仮設工事費・経費を含む金額を表示) | 坪単価(/坪) | |
4.5畳(7.4529/2.25) | ¥2,900,000 | ¥3,990,000 | ¥1,288,889 |
6畳(9.9372/3) | ¥3,190,000 | ¥4,300,000 | ¥1,063,333 |
8畳(13.2496/4) | ¥3,500,000 | ¥4,670,000 | ¥875,000 |
10畳(16.562/5) | ¥3,830,000 | ¥5,040,000 | ¥766,000 |
12畳(19.8744/6) | ¥4,160,000 | ¥5,410,000 | ¥693,333 |
15畳(24.843/7.5) | ¥4,550,000 | ¥5,860,000 | ¥606,667 |
18畳(29.8116/9) | ¥5,000,000 | ¥6,360,000 | ¥555,556 |
20畳(33.124/10) | ¥5,290,000 | ¥6,710,000 | ¥529,000 |
24畳(39.7488/12) | ¥5,760,000 | ¥7,250,000 | ¥480,000 |
27畳(44.7174/13.5) | ¥6,170,000 | ¥7,710,000 | ¥457,037 |
30畳(49.686/15) | ¥6,650,000 | ¥8,180,000 | ¥443,333 |
36畳(59.6232/18 | ¥7,650,000 | ¥9,560,000 | ¥425,000 |
40畳(66.248/20) | ¥8,360,000 | ¥9,810,000 | ¥418,000 |
45畳(74.529/22.5) | ¥9,160,000 | ¥11,130,000 | ¥407,000 |
48畳(79.4976/24) | ¥9,570,000 | ¥11,160,000 | ¥398,750 |
54畳(89.4348/27) | ¥10,420,000 | ¥12,560,000 | ¥385,926 |
60畳(99.372/30) | ¥11,270,000 | ¥13,550,000 | ¥375,667 |
72畳(119.2464/36) | ¥13,000,000 | ¥15,530,000 | ¥361,111 |
80畳(132.496/40) | ¥14,170,000 | ¥16,900,000 | ¥354,250 |
90畳(149.058/45) | ¥15,670,000 | ¥18,600,000 | ¥348,222 |
100畳(165.62/50) | ¥17,190,000 | ¥20,370,000 | ¥343,800 |
※上表は2002年に公開したものです。
小杉式低価格地下室の論理
1.地下室の規模が小さい場合(目安:20畳未満)は空間規模や空間容積に占める「工事の絶対量とその工事費」の割合が大きくなるので、工事坪単価は工事面積が小さくなればなるほど高騰します。
2.地下室の規模が大きい場合(目安:20畳以上)は空間規模や空間容積に占める「工事の絶対量とその工事費」の割合が小さくなるので、工事坪単価は工事面積が大きくなればなるほど低減していきます。
また、20畳を超えて「地下室規模を大きくする=深く掘る、天井高さを上げる=空間規模や空間容積・体積を増す」ということになりますので、壁や床や天井を平行移動(延伸)することになりますが、単純に多少の建築部材長さの増加するだけです。
つまり、壁や床や天井の延伸による長さが増えるだけですので工事規模は大きくなりますが、その絶対量は多少の増量となるのみで済みます。
仮に、15坪規模の地下室の幅または奥行を90cm程度広げて20坪にしたとしても、躯体工事費の増額分はおおむね50~60万円となるだけで200~400万円も増額となるようなことはありません。(あくまでも躯体工事費ですので誤解なきようにお願いいたします。ただし、深さも含め規模が極端に増えますと梁や柱などの構造部材寸法が大きくなる場合がありますので多少とはならない場合があります。)
まとめますと、空間規模(容積・体積)は目に見えて増えますが建築部材数量は多少増えるだけですのでその工事費の割合は全体の割合に比して小さくなります。
よって、躯体工事坪単価は下落することになるのです。
文責:小杉卓