設計図面と現場の食い違い

この2ヶ月、景気の低迷もあって瑕疵保険の検査件数がやや下降気味だったが、ここ数日は徐々に上昇傾向に転じてきたような感がある。
今朝も瑕疵保険の検査に出かけた。
なかなか大きな住宅の現場で配筋はダブル配筋とかなりガッチリしていた。
図面照合しながら適宜確認するとしっかり配筋は構造計算によって決められており、その内容は伏図、配筋リストに謳われていた。
各部をチェックし照合が進む。と、一部の配筋要領が通常とやや違っている。
図面を見るが設計図には記載がない。つまり、設計者の指示にはこれらの事項の説明がないのである。
設計者も一般的なことは書かないのか?(施工者の能力にもよるが、現場の職人向けに、彼らを初心者と思って書かねばいけないのかもしれないが・・・。それは職人が技術書を読め!・・・と?)
だから、現場は疑う余地もなく日頃の習慣(職人の癖)を是として配筋しているのだ。


現状と要領を説明し、改善の指導をすると現場は即刻改善された。
構造計算によって立派な基礎が造られようとしているにもかかわらず、設計者・監理者が現場を指導していないのだから現場はこれまでの職人流になってしまうのは必然である。
ここには“間違っている”という意識は生まれて来ない。
設計者や監理者の責任が問われる昨今にあって、設計図面と現場との整合は一向に調整されておらず、いささかガッカリさせられる。
現場に携わる職人の実践教育は私たち検査員がしていかねばならないのだろうか? 否!!
いつまで経っても厳格に管理されない建築現場の実体を再び嘆かざるを得ない。
それにしても、この現場は私が担当でよかったが、設計者さん、監理者さんにはもう少しシッカリと現場を診ていただきたいものである。
cosugi : 2009年06月24日 23:44

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