地下室をつくる上での構造・工法の選定は非常に重要で、この選定は初期段階でありながらこれを大きく間違えると工事費の高騰(=100万円ほどの過剰出費)や工事期間の遅延(=6ヶ月ほどの無駄な工期拡大)を招く。ここからお客様(=施主・クライアント)の不幸が始まる。
この点については構造・工法の経験を持たない設計者は判断が難しく、この判断を違えている設計者と現在建築計画を進めているある施主・クライアントから切実なご相談があった。
一般に施主・クライアントは素人なのでほとんどこの構造・工法の選定根拠がわからない。よって、設計者から多義にわたる十分な説明を受けて比較検討する必要があり、この検討をした上で『GO』を決めないと、自分で自分の首を絞めることになる。つまり、この選定が的確になされないので工事費の高騰や工期の遅延を一方的に受け入れねばならないこととなる。これは実に無駄な出費だし、無駄な遅延である。
ある意味、一般の設計者は地下室の設計に慣れていないから、経験則から生じるきちんとした説明ができないことが多く、施主・クライアントに向けた根拠説明義務を意図的にスルーさせてしまうこととなる。
これは設計者として『顧客クライアントへの説明責任』を果たしていないし、ある種、顧客クライアントへの隠匿、背任である。(一般の顧客クライアントもそれを受け入れざるをえないのか?=それはNOである=もっと顧客クライアントは『構造・工法についての選択肢を知る権利』を行使すべきである。)
今回のご相談では初期的な設計データすら揃っておらず、こうした設計で何ヶ月も打合せを重ねていることは実に情けないと感じた次第である。
一般の顧客クライアントの方々、今回のご相談のような場合はぜひご相談にお越しください。
cosugi : 2008年06月14日 08:36