「斜面地高低差を利用した多摩丘陵パノラマの家」 【地下室付】
地下RC造1階、地上在来木造2階建ての専用住宅。
外観上は3階建てのように見えるが、実は2階建ての建築物。地階の外周は道路に面するところを除き、大半
が地中に埋まっている。これにより地盤面は道路面より高い位置に設定されることになる。元々の敷地の地盤
面は道路より3mほど高い位置にあったので、これをそのまま利用した。
道路面からの建物高さが高くなると道路斜線により、高さが規制されてしまうが、これは天空率の検討により
道路斜線が適用を受けないようにした。
一般的に敷地が崖地である場合、2階建ての2階部分でも外を見た時に視界を遮るものがほとんどない。
この住宅では2階建ての2階部分が1階に相当するため、1階から上は非常に見晴らしがよい。
この見晴らしの良さを最大限活かすように計画を進めた。
2階は32畳ワンルームのLDKとし、間仕切りを設けないようにした。耐力壁になる部分は視線が通るように
鉄筋ブレースで対応した。
見晴らしの良い南面は全面を窓とし、かつバルコニーの奥行きを広げることで
開放的な空間をつくることを目指した。LDKの一部は吹抜けとして、屋上(12畳)に出られるようにした。
(小杉 卓)
建物断面
屋上からの眺望
雲が少ない晴れの日には富士山がくっきりと見える。
外観
西面外観 バルコニーは奥行きを1.5mと広めに取っている。
手摺の兼用と外部からの目隠しのため檜材を周囲に張ってある。
2階ダイニング・リビングルーム
・写真左:キッチンから南面の外を見る。南面は眺望がよいため全面を窓としている。
・写真右:LDKは32帖のワンルームで広々とつかえる。
キッチン・造作バス
・写真左:キッチンは完全オーダーキッチンとした。水栓、ガスレンジ、食洗機、レンジフード等は機能や
好みによってそれぞれ選定したものを組み込んで設計した。カウンターは長さ3.5mのステンレス製で
シンクと一体成型して製作してある。
・写真右:在来浴室。ユニットバスでは出来ない大きいトップライトとサイドライトを設け、明るく気持ちの
いい浴室とした。
1階個室
・写真左:西側個室
・写真右:東側個室
個室は左右対称のプランとなっている。両個室にはそれぞれ収納を設け、かつウォークインクローゼット
によって両個室間を行き来できるように計画してある。